「自然エネルギーがひらく脱炭素日本への道」セミナー参加

1月21日、公益財団法人自然エネルギー財団主催のセミナー「自然エネルギーがひらく脱炭素日本への道」に参加をしてきました。セミナーには、各企業・団体・研究機関から合計200名程度が参加をし、セミナー終了後には意見交換会レセプションが行われました。 “太陽光発電の急速な成長” セミナーでは風力発電や太陽光発電など、世界のエネルギー生産における脱炭素の動きについて現状報告がありました。特に、太陽光発電の成長が著しく、2024年には世界で600GWもの太陽光発電が新たに追加されたと聞きました。この動きはさらに加速しており、設備さえ整えれば他に必要な経費がかからず、20年、30年と電力供給が可能であることがその理由とされています。石炭火力発電の場合、1kWhあたり約12円かかりますが、太陽光発電では1kWhあたり4~5円で発電ができます。化石燃料への依存を続ける日本にとって、この現状は学ぶべき点が多いと感じました。 “脱炭素に向けた企業の取り組み” 企業の脱炭素化への取り組みについて、各企業においてオンサイトPPAの利用が広がっているという話がありました。企業が自ら電力を発電することで、電力コストを削減し、その分商品に付加価値を加えるなどして競争力を高めることが期待されます。 オンサイトPPA‥太陽光発電設備を事業所に設置し、その設備で生成された電力を企業が直接使用する仕組み “洋上風力発電加速の条件” 洋上風力発電については、送電線の充実といったようなインフラが整っていないことが課題であるとの話がありました。また漁業を行っている海を利用することになるので、漁業者の理解と協力も必要です。 洋上風力発電‥海上に風力発電用の風車を設置し、風の力を利用して電力を生成する方法 化石燃料を輸入している日本にとって、自然エネルギーのポテンシャルがどこまであるのかを考えていくべきだと感じました。

化石燃料不拡散条約(FFNPT)アジア会合参加

“FFNPTアジア会合への参加” グリーンフェイス・ジャパンは、12月17日から20日にネパールで開催された化石燃料不拡散条約(FFNPT)のアジア会合に参加しました。会議にはアジア各国から約40名の環境運動家が集まり、化石燃料削減の重要性や地域ごとの課題、連携について話し合いが行われました。このアジア会合には、インド、パキスタン、ネパール、バングラデシュ、フィリピン、インドネシア、マレーシア、カンボジア、タイ、そして日本からFriends of Earth(FoE)、350.org、Climate Action Network(CAN)、ラウダ―ト・シ、マレーシア森林保護団体などが参加しました。 “化石燃料不拡散条約(FFNPT)の役割” FFNPT(化石燃料不拡散条約)は、化石燃料の生産を段階的に廃止し、安全で費用対効果の高い解決策への迅速な移行を目指しています。この運動は元々アフリカの市民団体によって始められ、現在では世界的な運動となり、新たな化石燃料プロジェクトの拡大を防ぐことを目指しています。FFNPTは、2015年のパリCOPで合意された、産業革命以前の水準からの気温上昇を1.5度に抑える目標に貢献する重要な取り組みです。現在の加盟国には、バヌアツやツバルなどの太平洋諸島国家を中心に16か国が含まれ、世界保健機関や欧州会議、ロサンゼルスやパリなどの123の都市、48か国から850人の議員、100名を超えるノーベル賞受賞者、3,000人以上の科学者が加盟しており、さらに多くの国や団体の加盟を目指しています。日本では、創価学会インターナショナルが唯一の加盟団体となっています。 “アジア地域におけるSWOP” 12月18日は、各団体の自己紹介やFFNPTの紹介、そしてアジア地域におけるこの運動のSWOP分析(強み、弱み、可能性、脅威)についてのディスカッションと発表が行われ、以下の意見が挙げられました。 >>強み ・地理的・気候的・生態系的共通性がある ・経験を積んだ市民団体が多い ・青年人口が多いため活動がパワフルに行える ・アジアの地理的条件が再生エネルギーに転換しやすい ・天然資源が豊かである ・ASEANやSAARCといった共同体がある ・メディアが連携している >>弱み ・人々の関心が低い ・政治不安や政策運営の未熟さ ・管理システムの貧弱さ ・人口が多いため情報の普及が難しい ・貧困と不平等が蔓延している >>可能性 ・この条約によって国々の連帯意識が高まる ・世界銀行やIMFの援助が受けられる ・気候危機について事実を世界に伝えやすい地域である >>脅威 ・グローバルノース(欧米)の政治変動(右傾化) ・世界での紛争の増加 ・負債による財政の圧迫 ・インフレの日常化 ・貧困の悪循環 “ネパール都市の化石燃料不拡散条約への賛同と意見” 12月19日には、南半球およびアジアで最も早く化石燃料不拡散条約に賛同した都市であるネパールのドゥリクエル市の市長とイタハリ市の関係者によるパネルディスカッションが行われました。同条約に賛同した理由について、市長は安全で清潔かつ環境にやさしい都市づくりに役立つと考えたことを挙げました。さらに、首都カトマンズがこれらの条件を満たしていないため、ドゥリクエル市を首都に代わる都市にしたいと述べました。 “アジアにおける経済発展と化石燃料削減の議論” 同日には、「アジアにおいてどうすれば経済発展とともに化石燃料を減らすことができるか」というテーマで、6名の会議参加者によるパネルディスカッションも行われ、以下の意見が挙げられました。 ・国家プロジェクトではなく、地域での小規模な発電活動を増やす ・一部の人だけで進めるのではなく、青年団体、女性団体、宗教団体、議会など、様々なグループと協力して包括的に気候運動を進める ・地域に根付いた運動として小規模な予算から活動を始める ・政府のNDC(国別自主貢献)を考慮しながら政府に働きかける “市民運動を進める際の留意点” 市民運動を進める際に留意すべき点について、市民、環境団体、企業の各役割をロールプレイしながら意見交換が行われました。活動を進める前に全体的な戦略を立てることの重要性や、芸術や音楽を活用して多くの人が楽しく参加できる方法についても議論されました。 “化石燃料不拡散条約(FFNPT)の捉え方” 最終日である12月20日には、FFNPTのパートナーシップコーディネーターでネパール在住のシバヤン・ラハ氏よりFFNPTを私たちがどのように捉えていくべきかについて話がありました。FFNPTは、特定の条項を備えた条約というよりも、環境運動に取り組むグループ間のコミュニケーションを促進するためのプラットフォームです。シバヤン・ラハ氏は、「FFNPTの特徴は連帯と協働的活動にあり、私たちは皆さんの行動の一部として機能することを目指している」「FFNPTはその声に応えて資金援助を含む支援を行っていく考えである」と述べました。 午後には、南アジアチーム(パキスタン、インド、バングラデシュ、ネパール)と東南アジアチーム(タイ、フィリピン、カンボジア、マレーシア、インドネシア、日本)に分かれ、それぞれの国が抱える課題について組織を超えて話し合い、今後の連携方法を議論しました。また、終了にあたって、地元ドゥリクエル郡の行政官が出席し、今後とも環境に優しく、住民の幸福につながる努力を続けていきたいこと、そして現在ネパールにおいては2都市がFFNPTに賛同署名しているが、より多くの都市が賛同するように努めていきたい旨を述べました。 “日本の化石燃料政策に対する東南アジアの失望” この会合の中で、東南アジアの活動家たちからは、日本の化石燃料政策に対する深い失望の声が聞かれました。バングラデシュの活動家は、日本の投資を化石燃料から再生可能エネルギーへの支援に変更し、自立を支援してほしいと訴えました。また、カンボジアの活動家は、日本の水素発電事業やCCS(二酸化炭素の地下貯留事業)が東南アジアの人々に利益をもたらさないと失望の声を上げました。 ”今後の連携と未来への決意” 南アジアや東南アジアの国々で環境保全や気候正義の活動に取り組むさまざまな団体が、団体の枠を超えて話し合い、今後の連携について議論できたことは、私たちグリーンフェイス・ジャパンを含む参加者にとって非常に有益でした。今回の会議では、日本からの参加者は一人だけでしたが、他国の参加者からは日本への期待が寄せられました。特に、日本からの道路などのインフラ支援には感謝の声がありましたが、一方で化石燃料関連の支援については、地球温暖化だけでなく、地域住民の産業や生活を圧迫しているとの批判もあり、これらの声をより多くの日本人に伝えたいと思いました。 この会合に参加した多くの団体は、日本にも支部や連携する組織、団体、友人を持っており、市民団体間のつながりが強いと感じました。グリーンフェイス・ジャパンも、今後アジアおよび国内の団体と連携して市民運動を盛り上げることがFFNPTの活動主旨に合致すると受け止めており、より一層環境保全と気候正義のために力を尽くし、持続可能な未来を目指して邁進していきます。

グリーンフェイス・ジャパン 「フェローシップ・プログラム」のご案内

グリーンフェイス・ジャパン・フェローシップ・プログラム グリーンフェイス・ジャパン・フェローシップ・プログラムは、日本のさまざまな宗教団体の若手リーダー (21歳から40歳)を対象とした、多宗教によるリーダーシップ育成プログラムです。この1年間のプログラムの参加者は、毎月開催されるウェブセミナーに参加し、互いの友情を深め、気候変動の危機と日本の役割に関する情報を得ます。また、環境に関連するさまざまな宗教の倫理的な教えを理解し、気候変動に関する公共のリーダーシップを発揮するスキルを身につけます。グリーンフェイスは、2025年3月に開始予定の本プログラムの第1期生として12~18名の参加者を募集します。 プログラム内容について ・気候変動危機の現状と、日本および世界への影響について、日本の科学専門家から学びます。 ・日本の気候政策と、日本が気候変動対策に貢献するために必要な政策について、日本の気候政策専門家から学びます。 ・環境に関する倫理的・宗教的教えについて学びます。 ・効果的な気候変動コミュニケーションについて学びます。 ・地域活動の具体化と気候変動キャンペーンについて学びます。 ・地方議員や国会議員との環境に関する会合の進め方について学びます。 プログラムの一環として、受講者は各宗教団体内で気候変動に関するプレゼンテーションを行うこととします。 また、日本の気候変動政策に関する国会議員との会合などにも参加します。 プログラムの初回に限りまして対面形式の週末の全体会合を行います。 その後のプログラムへの参加時間は、1ヶ月あたり平均2~4時間で、ウェブ参加となります。 また、参加費は無料です。 申し込みについて 参加を希望される方は、下記の申込フォームより、各宗教団体、機関からお申し込みください。 申込の締め切りは2025年2月28日です。 お問い合わせは、グリーンフェイスジャパン・シニアアドバイザーの佐田喜朗 yoshiro@greenfaith.orgまでメールにてお願い致します。 皆様のご参加をお待ちしております。 2024年11月吉日 グリーンフェイスジャパン

インドネシア石炭火力発電所訪問

グリーンフェイス・ジャパンは、日本が石炭開発への支援を段階的に中止し、代わりに再生可能エネルギーを支援する必要性について認識を高めるため、2024年10月22日から26日にかけて、日本の青年宗教指導者とともに、インドネシアの西ジャワ州にあるインドラマユ石炭火力発電所への訪問を含む、教育ツアーを実施しました。 “エネルギー転換と宗教間の役割について” 2024年10月23日、グリーンフェイス・ジャパンとグリーンフェイス・インドネシアは、「インドネシアにおけるエネルギー転換と宗教間の役割に関する対話」と題した勉強会を開催しました。このイベントには、日本からの宗教間団体の代表者や、インドネシアの宗教指導者、政府関係者などが参加し、エネルギー転換とその社会的影響について議論しました。宗教団体のプレゼンテーションや、環境運動における宗教の役割について話し合われ、日本がインドネシアに与える影響や、化石燃料から環境に優しいエネルギーへの転換の重要性が強調されました。 “インドラマユ石炭火力発電所への訪問” 2024年10月24日、グリーンフェイス・ジャパンとグリーンフェイス・インドネシアは、WALHIとともに「インドラマユ石炭火力発電所」を訪問しました。インドラマユ石炭火力発電所は、インドネシアのジャカルタの東数百キロの所に位置しており、同国のエネルギー資源として利用されていますが、深刻な農業被害や環境被害も引き起こしています。KEBUMI のRicka Ayu氏は、「政府は石炭とバイオマスの混焼による火力発電を推進していますが、大気汚染による健康被害(特に呼吸器系の疾患)が出ており、石炭火力からの早期撤退を求めています」と述べました。 WALHI‥インドネシア国内最大の環境保護団体 KEBUMI‥インドネシアの環境保護と気候変動に関する健康問題に取り組む非営利団体 “ムカルサリ村の人々の思い” 私たちは石炭開発の影響を受けている地域社会の人々と会い、彼らが環境と地域社会を守るために行っていることを目の当たりにしました。 現地の漁業関係者は、「インドラマユ石炭火力発電所一号機ができてから、発電所の排出液によって海が汚染され、それまで取れていた小エビや魚が死んでしまい捕れなくなった」と話します。一号機稼働により深刻な被害を受けている中、インドネシア国内では二号機の建設案が進められていました。インドネシア政府が進めていた第二号機の建設には、当初日本の政府機関も支援を行っていましたが、地元の人々と環境団体が連携して反対運動を行い、約5年かけて第2号機の建設を阻止することに成功しました。彼らは日本大使館だけでなく、日本を訪れ、議員や関係者に訴えたと言います。その努力により、現状では発電所の建設は止まっていますが、インドネシア政府の10カ年エネルギー計画から建設計画が完全になくなったわけではありません。ムカルサリ村の人々にとってこの土地は神様から賜った土地であり、農業や漁業は神様からの恵みです。彼らはこれを子孫に永遠に繋げていきたいという強い思いを抱いています。彼らの戦いはこれからも続いていきます。   “石炭から再生可能エネルギーへ ‐日本が世界に与える影響‐” 石炭は世界で最も汚染の激しい化石燃料です。日本は先進国の中で唯一、石炭を主要なエネルギー源として使い続けています。国内外の石炭火力発電所の開発も進めており、日本が支援する海外の石炭火力発電所も多くの問題を引き起こしています。石炭は大量の温室効果ガスを排出し、大気汚染や有毒物質の汚染を引き起こし、発電所近隣の地域社会に害を及ぼしています。こうした問題について声を上げる住民は、しばしば政府や警察当局から脅迫や嫌がらせを受けています。気候と人々の暮らしを守るためには、公正でクリーンなエネルギーへの迅速な移行がこれまで以上に重要です。日本には信仰心を持ち、影響力のある団体が多く存在しています。GreenFaithは、これらの団体の道徳的・文化的影響力を踏まえ、市民団体との協力とパートナーシップの強化に努めます。2025年初頭、日本政府は今後数年間のエネルギー政策の指針となる新しいエネルギー基本計画を採択します。この計画によって、日本が石炭から脱却し、再生可能エネルギーへと移行することが、国内的にも国際的にも重要です。私たちと共に、より持続可能な未来に貢献しましょう。

フレッチャー・ハーパー代表の日本訪問

“日本の議員・宗教団体との交流” フレッチャー・ハーパー代表は、8月25日から29日まで日本に滞在し、日本の環境団体と共に自民党、公明党、立憲民主党の国会議員と面会しました。また、全日本仏教会や日本キリスト教協議会(NCC)、なども訪れ、日本の宗教者が環境問題において重要な役割を果たすことを訴えました。さらに、環境問題に起因する争いや対立を解決するために、日本と世界の宗教者の力を結集させる必要性を強調しました。 “エネルギー基本計画への提言” 来年初頭に発表される日本のエネルギー基本計画に対し、与野党の国会議員に対して、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換を強く求めました。また、宗教者には気候変動問題への積極的な参加を呼びかけました。 “日本での活動と今後の展望” 日本は経済大国であり、温室効果ガスの排出量も多いことから、フレッチャー・ハーパー代表は過去4年間にわたり度々来日し、創価学会や立正佼成会、真如苑、生長の家、世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会、崇教真光などを訪問し、宗教者らとのネットワークづくりに尽力してきました。今後も化石燃料依存からの脱却を推進する運動を続けていく予定です。