脱化石燃料へ世界が動く

また本会議に先立ち、GreenFaithのフレッチャー・ハーパー代表が中心的な仲介役となり、宗教団体による国際的な連携が形成されました。多様な宗教・地域をつなぐこの働きかけにより、宗教界としての共通の意思を示す土台が築かれ、声明の発信へとつながりました。
防災と再エネ導入をめぐる国会議員との意見交換

4月24日、GreenFaith Japanは、協力宗教教団のご協力のもと、衆議院議員の中川宏昌氏および佐々木雅文氏と懇談の機会をいただきました。今回のテーマは、災害時に指定避難所となる宗教施設への再生可能エネルギー導入についてです。GreenFaith Japanが作成した要望書をお渡しし、それをもとに意見交換を行いました。
2026年度 第二回グリーンフェイスジャパン・フェローシッププログラム

「みどりのドクターズ」は、気候変動をはじめとする環境問題をふまえた健康・医療のあり方を考え、医療従事者が主体となって気候変動対策を推進する日本初の団体です。医師や看護師、薬剤師など多職種が参加し、医療分野からの情報発信や実践に取り組んでいます。
2026年度 グリーンフェイスジャパン・フェローシッププログラム

”第1回フェローシッププログラム開催” 2026年3月26日、GreenFaith Japanフェローシッププログラム2026の第1回を開催しました。本プログラムは、宗教者を対象に、気候変動をはじめとする地球環境問題やその対応策について、専門家の講義を通して学ぶものです。当日は全国各地から24名が参加し、講義と質疑応答を通して理解を深める機会となりました。 ”気候変動の科学的メカニズム” 講師には東京大学未来ビジョン研究センターの江守正多教授をお迎えし、気候変動の科学的背景についてご講義いただきました。温室効果ガスの増加によって地球の平均気温が上昇する仕組みや、日本および世界における気温上昇の傾向について、データをもとに解説が行われました。特に近年は記録的な高温が続いており、現在の温暖化は自然変動では説明できず、人間活動の影響によるものであることが強調されました。 ”世界中で起きている深刻な影響” 講義では、気候変動による具体的な影響についても共有されました。海面上昇や洪水、強い台風の発生、熱波による健康被害、食料や水資源の不足、生態系の損失、森林火災など、多岐にわたる影響がすでに世界各地で起きています。また、これらの被害は、排出にほとんど責任のない地域や人々に集中する傾向があり、気候変動は不公平性や世代間の問題を含む深刻な課題であることが示されました。 ”パリ協定と現在の課題” パリ協定では、産業革命前と比較して世界の平均気温上昇を1.5℃以内に抑えることが目標とされています。しかし、現在の排出削減のペースではこの目標達成は難しく、現状のままでは今世紀末に2℃を超える上昇となる可能性が指摘されています。一方で、再生可能エネルギーの導入は世界的に拡大しており、前向きな変化も進んでいます。 ”脱炭素社会に向けた転換の必要性” IPCCの報告では、気候変動対策は早く取り組むほど効果が大きいとされており、必要な技術や資金はすでに存在しています。しかし、現状では投資や社会の転換スピードが十分ではなく、化石燃料に依存した社会構造からの脱却が課題となっています。脱炭素化を進めるには、技術だけでなく、社会全体での理解や合意形成が不可欠であることが強調されました。 ”質疑応答と多様な視点からの議論” 講義後の質疑応答では、戦争と気候変動の関係、再生可能エネルギーの課題、温室効果ガス削減技術、ジェンダーの視点など、多様なテーマについて活発な議論が行われました。気候変動は単一の問題ではなく、社会・経済・政治と深く関わる複合的な課題であることが、対話を通して共有されました。 ”GreenFaith Japanとして” GreenFaith Japanは、今回の学びを出発点として、宗教界における気候変動への理解と関心をさらに広げていくことの重要性を改めて認識しました。フェローシッププログラムは始まったばかりですが、今後の講義や対話を通して学びを深め、それぞれの現場での実践へとつなげていくことを目指します。多宗教のネットワークを活かしながら、気候危機を自らの課題として捉え、行動へとつなげていく場づくりと発信を継続していきます。
2026年 グリーンフェイス・ジャパン 「フェローシップ・プログラム」のご案内

“グリーンフェイス・ジャパン・フェローシップ・プログラム” グリーンフェイス・ジャパンは、昨年度に引き続き、本年も宗教者の皆様を対象に、気候変動問題をはじめとする地球環境問題ならびにその対応策等について、専門家の講義をとおして学ぶ「フェローシップ・プログラム」を開催することになりました。毎年の集中豪雨、40° Cを超える猛暑など日本の気候も大きく変わりつつあります。そ うした気候変動の原因について理解を深め、解決策等について共に考える機会となりますことを願っております。 この機会にぜひご参加を賜りたくご案内申し上げます。 “プログラム内容について” ・気候変動問題の概要 ・プラネタリーヘルスの観点からの人の健康・ウェルビーイング ・再生可能エネルギーの可能性 ・僧侶が電力会社を起業した理由 ・日本の気候・エネルギー政策の現状と地域で、宗教界でできること プログラムへの参加時間は、毎月1時間で、ウェブ参加となります。 また、参加費は無料です。 “申し込みについて” 参加を希望される方は、教団名、ご芳名、Emailをもって下記へお申込みください。 申込の締め切りは2026年3月10日です。 グリーンフェイス・ジャパン 担当:佐田喜朗 Email:yoshiro@greenfaith.org お問い合わせは、グリーンフェイスジャパン・シニアアドバイザーの佐田喜朗 yoshiro@greenfaith.orgまでメールにてお願い致します。 皆様のご参加をお待ちしております。
若者気候訴訟 第5回口頭弁論に参加しました!

若者たちの声が響いた気候訴訟の現場 2026年1月8日、名古屋地方裁判所にて「若者気候訴訟」第5回口頭弁論期日が開かれ、GreenFaith Japanとして参加、傍聴し、その後、原告や支援者の皆様との交流会に参加をしてきました。この日も傍聴券は抽選制となり、社会の関心の高さを実感しました。法廷では、原告の川﨑彩子さんと山本大貴さんが意見陳述に立ち、それぞれの視点から気候危機の深刻さと、企業に対する責任を訴えました。 「気候沸騰化」の現実と、求められる行動 川﨑さんは、若者やこれから生まれてくる世代にとって「気候沸騰化」とまで言われる現在の状況が、いかに人生を不安と無力感に満ちたものにしているかを語り、「企業が家族を含めた社会全体の未来のために、化石燃料からの脱却を決断してほしい」と力強く訴えました。山本さんは、国際的な1.5度目標に向けて企業が責任ある努力を果たすべきだと述べ、自身が暮らす神奈川県の横須賀火力発電所をめぐる住民運動に触れつつ、その思いを継承する決意を示しました。 気候変動が私たちの暮らしに与える影響 原告弁護団からは、気温上昇による健康被害について、科学的知見にもとづくプレゼンテーションが行われました。気候変動は身体的・精神的健康に深刻な影響を与えており、熱中症や関連死の増加といった形ですでに現実化しています。また、国際司法裁判所の勧告を紹介し、「温室効果ガスの排出を抑える義務は、国家だけでなく企業にもある」との国際法上の原則を説明しました。これに対し、被告企業10社はいずれも法廷には姿を見せず、代理弁護士がリモートで出席しましたが、発言はありませんでした。 交流会で感じた連帯の力 法廷での審理後、別会場にて約100名の支援者が参加する交流会が開催され、グループディスカッションやパネルトークを通して、今後の気候アクションへの意見が交わされました。多くの参加者が「今は小さな声でも、必ず誰かに届く」「気候危機に立ち向かう流れを社会に広げたい」と語り、現場の熱量と希望を胸に刻む時間となりました。 GreenFaith Japanも、宗教界の方々に気候変動への関心を一層高めていただき、気候危機を回避するための活動に参加していただけるよう努力していきます。
第十回 グリーンフェイスジャパン・フェローシッププログラム

学びの集大成、次なるアクションへ 12月13日、GreenFaith Japanフェローシッププログラムの第10回を開催し、10ヶ月にわたる学びを締めくくりました。本プログラムは、2025年3月よりスタートし、毎月1回の講義を通じて、多様な信仰をもつ若手宗教者たちが気候危機・環境問題を学び合う場として歩んできました。最終回となった今回は、これまでの学びをふりかえるとともに、参加者から感想や今後に向けた希望・提案を共有していただく時間となりました。 参加者から寄せられた声 ▶環境問題についての学びを継続してほしい ▶他団体と協力した実践的なアクションを増やしたい ▶政策提言につながる発信を行いたい ▶現地見学やフィールドトリップを取り入れてほしい ▶防災・減災の観点と連携した環境運動を展開したい 多くの声から共通していたのは、「知識を得るだけでなく、信仰に根ざした行動につなげたい」という願いです。 他宗教との出会いや、専門家の知見にふれたことで、気候問題を“自分ごと”として捉える視点がより深まったことがうかがえました。 また、宗教法人が環境政策にどう関われるのか、制度的な課題や社会的役割についても率直な意見交換がなされました。特に、防災の視点からの太陽光発電や地域連携への可能性、信徒以外への広がりなど、今後の展望が数多く語られました。 今後もGreenFaith Japanは、参加者の声を大切に受けとめながら、信仰と社会をつなぐ環境アクションの場を広げていきます。
第九回 グリーンフェイスジャパン・フェローシッププログラム

生長の家「森の中のオフィス」を訪問 〜完全オフグリッドの持続型施設に学ぶ〜 GreenFaith Japanでは、2025年3月より青年宗教者を対象としたリモート学習セミナー「フェローシッププログラム」を継続的に開催しています。11月29日には、その集大成とも言える第9回プログラムとして、山梨県北杜市にある生長の家の「森の中のオフィス」を訪問しました。今回の訪問には、複数宗教の青年リーダーたちが参加し、現地の実践に触れる貴重な機会となりました。 「森の中のオフィス」は、生長の家が2013年に東京・原宿から移転した国際本部であり、「自然と人間の調和による新しい文明のモデル」を体現する場として設計されています。地元の間伐材を活用した木造建築で構成され、太陽光発電・太陽熱集熱・バイオマス発電などの再生可能エネルギーによって、外部の電力やエネルギー供給に一切依存しない完全オフグリッド運営を実現しています。 たとえば、屋上に設置された太陽光パネルで発電した電力は大型蓄電池に蓄えられ、悪天候時でも安定した電力供給が可能に。さらに、バイオマス発電で生じる熱は給湯に利用されるなど、エネルギーを最大限に活用する工夫が随所に見られました。標高1300mの高地という立地を活かし、夏は冷房が不要で、冬も集熱パネルや断熱構造により20度前後の快適な室温が保たれています。 敷地内の「万教包容の広場」では、宗教・自然・人間の調和を象徴する思想的空間が広がり、環境活動の背景にある精神的な価値にも触れることができました。 見学後には、現地スタッフとの懇談や質疑応答が行われ、参加者からは「この規模で完全なエネルギー自立を実現していることに感銘を受けた」「この学びを自身の宗教コミュニティに持ち帰り、できることから実践していきたい」といった声が上がりました。 今後もGreenFaith Japanは、多宗教間の連携を活かした環境学習と実践の輪を広げながら、信仰に根ざした気候アクションを推進していきます。
第12回 宗像国際環境会議に参加しました!

第12回 宗像国際環境会議に参加しました! 2025年10月26日〜28日、福岡県宗像市の宗像大社にて「第12回宗像国際環境会議」が開催され、GreenFaith Japanも参加をしてきました。今年のテーマは「神々しい海を取り戻す」。宗像の海と自然に根ざした視点から、日本および世界の環境課題と向き合う3日間となりました。 【1日目】”変わりゆく地球環境と、海辺からの警鐘” 開会式では、宗像市長や福岡県知事、宗像国際環境会議の実行委員会より、「12年目=干支ひと巡り」という節目に込めた未来への意気込みが語られました。「巳年は脱皮の年。次世代に環境意識をつなげていく重要な時」との言葉が印象的でした。 セッションでは、気候変動による猛暑や海水温上昇、台風の大型化など、急速に変化する地球環境の現状について、専門家が科学的な視点から共有。中でも、海洋の変化が一次産業に与える影響、砂浜の消失や魚の大量死といった問題の深刻さが浮き彫りになりました。 実際にさつき海岸で行われたビーチクリーンでは、宗像地域の地形や砂丘の変遷を学ぶ現地視察も実施。古代から地形を活かして神社や集会所を築いてきた知恵に触れ、自然と人との関係性を見つめ直す機会となりました。 【2日目】”暮らしと技術からひもとく「持続可能性」” この日は「地域循環」「フードロス」「エネルギー技術」など、多角的なテーマが取り上げられました。農業の持続可能性や食資源の効率的な活用、さらには「低温核融合」など革新的なエネルギー技術まで、環境と経済の両立をめざす事例が紹介されました。 宗像会議の恒例行事「竹漁礁づくり」も行われ、参加者たちが竹で筏を組み、海に沈める準備を行いました。翌29日には幼稚園児約70名が稚魚800匹を放流し、自然への感謝と命の循環を体感する機会に。この取り組みは宗像大社・宗像市・漁港など地域の協働によって支えられており、未来につなぐ学びの場となっています。 【3日目】”伝統と科学、文化と未来をつなぐ対話” 最終日は、「伝統文化」「精神性」「最先端研究」など、多様なジャンルのスピーカーによるセッションが展開されました。 博多人形や伝統工芸の担い手が語る“技と祈り”の継承、SBNR(Spiritual But Not Religious)の潮流から読み解く精神文化の可能性、アニメや能などを通じた文化発信の事例が紹介されました。 さらに、量子力学や都市・自然の再構築を巡る議論まで広がり、多様な立場から「未来をどう拓くか」が模索されました。美しいだけでは伝統は残らない、という鋭い指摘や、地球のために「リングに上がる覚悟」を示した表現も印象的でした。 “GreenFaith Japanとしての学びと意気込み” 私たちGreenFaith Japanにとっても、宗像という場を通じて、宗教・地域・行政・企業・教育といった多様なセクターが連携し、文化と環境をともに支えている姿に深く学ぶことができました。 宗像国際環境会議は、単なる学術イベントではなく、地球規模の課題に立ち向かう「人の輪」と「知の交差点」。今回の会議で生まれた出会いや学び、つながりを、今後の活動にしっかりと活かしていきたいと思います。
第八回 グリーンフェイスジャパン・フェローシッププログラム

第8回フェローシッププログラム開催! 今回は、FoE Japanの波多江秀枝さんを講師にお迎えし、「海外のエネルギー事業に対する日本の支援と国際的な批判」「脱炭素/エネルギー移行の名の下で進む誤った気候変動対策」という二つのテーマのもと、現地で起きているエネルギー事業の実態と、日本の官民が果たす役割について深く学びました。 “海外のエネルギー事業に対する日本の支援と現地からの批判” 波多江さんは現在フィリピンを拠点に、南アジアで進む石炭燃料事業に関する住民被害の調査・支援を続けておられます。今回は、インドネシアのチレボン石炭火力発電所で実際に起きている事実をもとに、日本の官民が関与する国際エネルギー支援の構造的な問題についてお話しいただきました。 インドネシア西ジャワ州のチレボン石炭火力発電所では、以下のような複合的な課題が指摘されています: • 発電事業の必要性自体に対する疑問(電力過剰地域での建設) • 土地収用による住民の生計手段の喪失 • 粉塵などによる健康被害への懸念 • 漁獲量・農作物の減少などの生活被害 • 環境影響評価(EIA)の不備と住民参加の欠如 • 支援を受ける住民・NGOへの人権侵害・嫌がらせ • 贈収賄疑惑などの不透明な資金の流れ 十分な補償や環境対策が行われないまま事業が進行していることに、現地住民の大きな怒りと不信感が集まっている状況が共有されました。私たちGreenFaith Japanとしても、「支援」という言葉の裏に潜む構造的不正義に改めて目を向ける重要性を強く感じました。 “「脱炭素」の名の下で延命される化石燃料と誤った移行支援” 講義後半では、波多江さんが「エネルギー移行」という名の下で、いかに石炭火力の延命策が国際支援の枠組みの中で進められているかを具体的に紹介してくださいました。 たとえば、アジア開発銀行が主導するETM(エネルギー移行メカニズム)や、日本が最大出資国であるAZEC(アジア・ゼロエミッション共同体)では、石炭火力の“早期廃止”を掲げながら、実際には以下のような動きが進められています: • 石炭火力を維持しつつ、アンモニアやバイオマスとの混焼を導入 • 化石燃料の利用を延命する技術を「移行策」として正当化 • 再エネ推進の名のもとに、脱炭素の本質から逸れた政策が容認される構図 こうした動きに対して、インドネシア国内でも「誤った移行ではなく、正義ある移行(Just Transition)を」との市民の声が強まり、日本の関わり方が問われています。 “GreenFaith Japanとしての学び” 私たちGreenFaith Japanは、今回のプログラムを通じて、環境・気候変動の取り組みを支援という名の「善意」だけで語ることの危うさを再認識しました。本来、環境・気候対策はもっとも弱い立場に置かれた人々を守るためにあるべきものです。ところが現実には、気候正義を無視したまま、脱炭素の「名ばかりの政策」が進行している場面も多く見られます。国際支援の現場で誰が利益を得て、誰が犠牲になっているのか。私たちはこうした問いを常に胸に抱きながら、公正な移行(Just Transition)と真の意味での気候正義を目指し、国内外の仲間たちとともに学び・連帯していきたいと思います。
